Ariko Media Projectは有田工業高校セラミック科,デザイン科の職員有志から成るデジタルコンテンツ作成を基にした地域連携プロジェクトである.我々は高校が位置する佐賀県有田町をフイールドに,デジタルメディアやインターネット等ICTの活用により,クリエィティブなコミュニティづくりを実践してきた.
このプロジェクトは2000年に学校設立百周年記念映像として3画面マルチスクリーン上映のデジタルシネマを完成させたことから始まる.その際,素材として地域映像の資料写真,フイルム,ビデオからなる膨大なデジタルアーカイブを構築した.作業は7名の職員を中心に半年がかりで行った.
制作を機に,地域情報財を基にデジタルコンテンツを生成することで高校と地元が地域連携を行う実践を続けていくこととなった.
有田町は早い時期から商用光回線が敷設され,ICTを用いたまちづくりに積極的であった.それは,教育利用が主目的であり,地場産業である有田焼のデジタルアーカイブス構築や陶磁器産業界と教育界とのICTを用いた連携事業に本校教員が協力することで地域教育をサポートする体制が整っていった.
2003年に行った有田陶器市インターネット配信事業では教員のみならず,放送部の生徒が中心になることで,高校生が地域の人々,民間(NTTアドバンステクノロジ)の企業人と協働し,取材,編集,配信という一大事業を成功させた.
有田,福岡(天神及び博多駅大型ビジョン)をリアルタイムに結び,テレビ局と同等の複数カメラ中継により,業務レベルの制作体制を敷き,1週間生放送を行った.
これにより,生徒のスキルアップもだが,地域のイベントに世代や業種を超えて参画することで発生する協働の意義が見出された.また,この事業で制作した映像コンテンツはデジタルアーカイブスとして地域の新たな資産となり,陶器市での映像コンテンツを用いたイベントが定例化することとなった.
2004年には,これまで制作してきたデジタルアーカイブス映像利用による地域映像屋外上映アートプロジェクトを行った.
単なる地域情報のデータベース作成ではなく,その情報財をどう活用するかを実践したプロジェクトである.有田町内にある,伝統的建造物郡町並み保存地区での上映は高い評価を得た.また,毎年,大晦日に地元の陶山神社では初詣のイベントとしてもこの上映会を行っている.その際,町民から写真を公募し,作品の中に入れ込む形で編集する.そのことがイベントに関して参加者の一体感を増している.
|